木造住宅の耐震診断方法は建物の外壁材や屋根材の劣化と偏心距離に関係あり!
木造住宅の実際の耐震診断調査は
壁の強さから算定を行います。
その方法を詳しく説明します。
耐震診断では壁の強さを具体的に
計算していくことになるのですが、
まずは、正確な柱や壁や開口部の
配置の図面を作成することから始まります。
正確な図面を作成しなければ
正確な耐震診断が出来ないからです。
正確な図面を作成後に
実際の壁の材質により「壁強さ倍率」を
各壁ごとに算定をしていきます。
また壁の材質の違いにより、
各壁の内壁材と外壁材の種類を
一つずつ判断していきます。
外壁であれば、
木ずりモルタル塗りやラスモルタル塗りなど
内壁であれば、
石膏ボードやベニヤなどの種類や厚さなど
壁に筋交いが入っているか
・筋交い部材の断面形状
・方筋交い方向や交差筋交い
・筋交いの接合金物の有無と種類
現地調査表に基づいて建物の劣化状態や
基礎地盤などの情報を反映し、
各階ごとに上記の壁強さ情報を
正確に入力し計算をします。
実際には耐震診断用のシステムを
使用しますので手計算をすることはありませんが、
現地調査や入力については人間が行いますので、
判断や入力にミスがあると正しい
耐震診断調査を行うことは出来ません。
診断調査の結果は「評点」
として数値で表されます。
その診断評点と判定内容(震度6強~7を想定)
・1.5以上 → 倒壊しない
・1.0以上~1.5未満 → 一応倒壊しない
・0.7以上~1.0未満 → 倒壊する可能性がある
・0.7未満 → 倒壊する可能性が高い
この評点は各階のYXの両方向ごとに数値化され、
一番低い数値が建物全体の「評点」になります。
それと評点以外にも大切なことは建物の
「重心」と「剛心」の位置のズレである
「偏心距離」です。
この偏心距離はある一定の範囲を超えると
建物全体の強度が弱くなりバランスが
取れない建物になりますので、補強計画時に
偏心距離が一定の範囲に納まるように
壁補強をすることがとても大切です。
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