旭化成建材の杭工事データ偽装問題は施工業者の信頼を奪った建築業界は
旭化成建材の杭工事データ偽装が起った原因は
支持地盤の深さの変化に対応できない工法にも
問題があります。詳しく説明します。
私は一級建築士で建築の専門家ですが、
高校卒業後初めて働いた会社が
杭打工事会社です。
杭打工法にも様々な種類があり、
施工前のボーリング地層調査の
段階の支持地盤深さより
実際に杭打工事をする際には
深くなることも多々あります。
現場で成型杭であれば、
ある程度の予長を見込んで
長さを想定しておくことで
深さの変化に対応できます。
しかし、今回問題になっている
旭化成建材のPC杭は、工場で事前に
長さまで決めて造られた杭の為、
実際に杭工事の際に
予定より深くなった場合、
工場に長さを変更して作り直さなければ
工事を進めることが出来ません。
つまり、現場では良く発生する
支持地盤の深さの変動には、
コストと対応に時間がかかる工法です。
限られた工期内での工事においては
不向きな工法だったのかもしれません。
性能に問題はないが、
現場での変更やアクシデントには
人のオペレーションの問題があります。
30年も昔であれば、
そもそもデータによる支持地盤の
管理をすることはなく、
実際に現場で1本ずつの杭が、
支持層地盤まで掘られているのかを
目視で確認していました。
実際には、
穴の中に入って見ることはありませんが、
掘削機の先端に支持層が入っていることで
掘削機械の性能上、
堅い地盤を掘り進めることが出来ない
負荷がかかっていることを
確認したりなどします。
つまり、杭が出来上がる時に
判断をしますので、支持層の地盤強度は
データ確認が無いのです。
ですが昨今は、掘削機械に搭載してある
コンピューターでデータによる強度確認で
管理をしているので、
その管理をする人の、
モラルの低下による事件に他なりません。
そしてその偽装は、
実際に建物が傾かなければ、
地中の杭の深さが足りていなくても
何ら誰にも知られないということです。
ですが問題点には、必ず原因があるので
不正や偽装をした工事においては
必ず何等かの形で、建物構造に
不具合が発生するでしょう。
私は一級建築士としての責任において
建物を造るという意識を、
とても大切で社会的な
責任の重い仕事だと思います。
ですが今回の、
旭化成建材の杭工事データ偽装事件は
かかわったすべての方々に
建物を造っているという認識と
責任感の欠落が生み出した
事件と言えるでしょう。
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