ビルやマンションの傾いた建物はリフォームで直せない本当の理由とは！

横浜の分譲マンションの
杭打ち工事のデータ偽装による、
その傾いた建物はリフォームでは直せない
その原因について考えてみたいと思います。

建物が建てられてからの不具合は、
このような大型のマンションに限らず
木造建物などの
個人住宅でも発生しています。

私は一級建築士として、
建物に発生している不具合や欠陥など
家の持ち主と施工者で
解決できない問題の
相談を受けることが多いのですが、

建物の不具合や欠陥に関しての
問題には必ずその原因があります。

しかし一般の方々には
わかりにくいということが
一番の問題で、

販売主や設計者や施工者のいずれかに
責任があるにも関わらず、
工事業者が互いの責任を
明確にしていない事は明らかです。

今回問題になっている横浜の
分譲マンションも同様で、

杭工事業者だけに全ての責任が
あるような報道がされていますが、

本来建物を完成させて引き渡す責任は
建物の建築を請け負った
建設会社（元請）にあり
杭工事会社（下請）の
責任が全てではありません。

マンションを所有している
住民への責任は、
杭工事会社（下請）
⇒ 建設会社（元請）
⇒ 販売会社
最終的な全責任は、
分譲をした販売会社になります。

実際にこのような不正が
当たり前に行われていた事実が
あるとすれば、

建物の規模の大小を問わず
建築業界全体のあり方を
考え直さなければなりません。

工事の大小に関わらず、
全ては家主や注文者の
見えない部分で
行われていることになるからです。

これはリフォーム工事という分野で
お客様の大切な建物に関わる
仕事をする立場としても同様で、

現実に不具合や欠陥が
発生している様々な建物を調査すると

・施工ミスによる欠陥
・建物の形状や納まりによる
　設計のミスによる欠陥
・劣化による不具合
などがありますが、

リフォームで正しい判断と
正しい工事をすることで
直すことができる箇所において、

何度も工事を
繰り返している建物も
少なくありません。

リフォームで適正な判断と工事が出来るよう、
今後も注意深く建物に
向き合っていきたいと思います。