RC・鉄骨建物の付送りモルタルの防水性能と接着力を修復する方法3つ
意外にも知られていない
鉄筋コンクリート建物で
付け送りモルタルが塗られていると
防水性能が低下する可能性があり
外装リフォーム時に修復する必要があります
鉄筋コンクリート建物は各階の
建物躯体を造る際に型枠と鉄筋を組んで
そこにコンクリートを打ち込み
鉄筋コンクリート躯体が完成します。
ですが実際に建物が完成するまでは
躯体の寸法や精度が悪い部分の
モルタル成型をする必要があります。
そしてその状態によって処理方法が変わります。
・内側に躯体が倒れている場合
この場合には倒れている寸法にも
よりますが基本的には
付け送りモルタルを塗ります。
一回に塗ることが出来るモルタル厚さは
多くても10mm程度です。
それ以上になると接着力の強い
軽量モルタルを何度か塗り重ねて
躯体の形を整えます。
付け送りモルタルは完成すると
本来のコンクリートなのか塗られた
モルタルなのかの区別がつかないくらい
表面的にはきれいに仕上がります。
しかし経年劣化により接着面にクラックが
入ったり剥離をしたりすると
防水性能がなくなります。
特に窓開口部周りや打継目地部などは、
シーリングが打たれていてもその
シーリングが本来の躯体に
接着していない場合もあります。
・外側に躯体が倒れている場合
躯体が外側に倒れている場合は、
斫りという躯体を削る作業を
する必要があります。
斫りは、仮に10mm程度の躯体の
削り取ろうとしても最低でも
20~30mm程度は
削り取ることになります。
この作業は削岩機という斫り機械で
コンクリートに衝撃を与えて削るので、
外壁のコンクリートのカブリが
不足している場合には
鉄筋が露出してしまうこともあります。
この作業のあとに付け送りモルタルを
数回塗り重ねて躯体成型を行います。
つまりこの部分は本来の
コンクリート躯体ではない上に
カブリ(鉄筋までの距離)の
足りない建物になっているということです。
経年劣化により塗りモルタル部分に
クラックや剥離が発生すればダイレクトに
鉄筋まで雨水が侵入することを意味します。
このように鉄筋コンクリート建物は
規模の大小を問わず改修工事を行う際には
ちょっとした躯体の異常を
見逃さないことが大事です。
そして新築時の不具合による影響も
考慮して建物全体の改修リフォーム工事を
考える必要があります。
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