建物寿命は定期点検と防水リフォームをすると長持ちすって本当ですか?
建物の定期点検と建物寿命の関係について
詳しく解説します。
建物も人間と同様に定期的な健康診断を
することで、建物のちょっとした異変や
傷みを早期に発見することができます。
同じ築年数の建物でも定期的な点検と
リフォームをしている建物と、ほとんど
手入れをしていない建物では見た目だけでなく
建物寿命に大きな影響を与えています。
建物は構造体、内外装材、
設備機器類から造られています。
その中でも最も大切な箇所が構造体で、
この構造体が劣化し老朽化するとどんなに
費用を掛けてリフォームをしても建物の寿命は
長くすることは出来ません。
その対策としては建物に雨水の侵入を防ぐ
建物全体の防水対策になります。
実は建物にとって防水対策が最も重要です。
防水性能の低下に気づかずに建物をそのままに
することは構造材の劣化に直結するからです。
その為に必要なことが定期点検なのです。
では躯体的にはどのような箇所を
点検すればよいのでしょうか。
鉄筋コンクリート建物や鉄骨造の建物であれば、
屋根:屋上防水、ルーフバルコニー防水、
外部廊下防水、バルコニー防水、庇防水
外壁:一般外壁、バルコニー手摺壁、廊下手摺壁、
窓開口部廻り、柱周辺、パラペット
シーリング:窓周り、打継目地、
パネルジョイント目地、排気口、手摺支柱
鉄部:鉄骨階段、手摺、雨どい固定金具、ドア
などの各部位ごとに定期的な点検を
することが大切で、その状態の応じて
早めに修理やリフォームをすることが
建物を長持ちさせるポイントになります。
また早めの点検修理やリフォームは
経済的ではないと考える方もいますが、
逆に症状の早い段階でリフォームをする方が、
建物状態が悪化してからリフォーム工事を
するより安い費用ですむので長い目で
みると経済的です。
ただしこの定期的な点検で大切なことは、
人間の医療と同様に適正な知識や資格を
もった専門家に依頼をすることです。
良かれと思って行った診断に判断のミスがあれば、
長持ちさせるために行ったリフォーム工法の
選択を誤ることになります。
私は一級建築士という立場で、これからも
多くの建物に正しい判断で向き合って
いきたいと思います。
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