屋上屋根の防水リフォームをする際は建物の状態確認する5つの項目
建築設計をする立場から
防水リフォームを考えてみたいと思います。
防水改修リフォームを計画する場合は、
建物はすでに完成してるので、
建物がどのような造りになっているか
どのような保守メンテナンスを経て
現在の状態になったのかを考える
防水工事会社は少ないでしょう。
しかし
建物のメンテナンスをする場合は
「どのように建てられたか」と
「防水改修リフォーム」の関係は
とても重要です。
多くの皆様に自宅の建物の事をお聞きしても、
自分の家にも関わらず、
知らないことが多いことには驚きます。
設計図書をほとんどの皆さんが
大切に保管されています。
その図面に建物に関する情報が
書かれています。
そして建物は建築基準法という法律の
枠組み規制に基づいて造られています。
建物を造る上で「最低限の基準」が
建築基準法になります。
つまり設計図書は
建物を造る為の最低限の基準に
沿ったものになります。
ここから設計者や施工者が工事仕様や
素材を決定し、
実際の建物が造られています。
お客様が保管されている図面も
所管の建築課の提出用の基準に沿った
資料の一部になります。
ですが
実際の施工の記録などの記載は
ないのです
ただし、
建築のプロがその資料と建物を見ることで
実際の施工の状況を判断することが
出来るからです。
たとえば
•建物構造の種類
•建物の防水仕様
•梁や柱の接合方法
•使用素材の耐久性
•付帯部の防水素材
•窓周りの納まり
•屋根勾配
•下地ジョイント
防水改修工事をする場合には
関係の無いようにも思えますが
建物は複雑に造られており
現在の症状になんら関係がないと判断し
防水リフォームをしてしまうと、
実はその状態は建物の構造や造りに
題がある場合があります。
多くの場合は経年による劣化が原因で
症状があらわれている場合がほとんどですが
その原因や対処方法を間違えてしまうと、
防水改修リフォームが長持ちしないだけではなく、
後々の雨漏りの原因になったりして、
建物の寿命を短くしてしまうので要注意です。
最近の建物は建築の技術も向上し
素材や施工も良くなっております。
しかし
現在メンテナンスを必要としている
20年以上前に建てられた建物は、
防水施工に関する考え方が
現在とは異なっていました。
価格最優先で建てられた建物は、
現在の建物と比較すると粗悪な建材類が
使われており
防水リフォームをする際に合わせて
見直しが必要な場合もあります。
防水の工法や材料の種類はたくさんあります。
耐久性の強い防水材を使えばそれだけ長持ちし
建物を長期に守ることが出来るはずですが
実際に多くの建物を見ていると、
何故この建物にこの工法で防水工事を
しているのだろうか?
と疑問に思うことあります。
お客様に伺えばプロにお任せしたので
何も不思議には思っておりません。
お客様は防水のプロではないので、
詳細な防水仕様や特性については
意外と知らないのです。
防水リフォームをする工事会社としては、
建物の状態をしっかりと調査し、
表面だけからの判断ではなく建物全体の造り
から防水リフォームを考える必要があります。
私達は建築のプロとして多くの建物と
真剣に向き合い、
私達とかかわる全ての皆様に
防水リフォームを通じてお役に立って
いきたいと思います。
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