地震の備えは建物の耐震補強リフォームと壁基準体力に関係がある理由3つ

木造住宅の耐震補強の注意点について詳しく説明します。

 

建物の地震に対する強さを調べる一般診断法は
建物の壁を剥がさずに、柱と耐力壁の配置を
診断ソフトに入力して計算を行います。

そしてその診断結果に基づいて補強計画をします。
補強計画はリフォーム後の新たな間取りの柱と
耐力壁の配置
とその壁基準耐力(KN)
算定しながらバランスよく配置し
建物強度の評点を上げていきます。

 

ここで注意が必要なことが建物全体のバランスです。
建物には「剛心」「重心」があり、
この位置が建物中央から大幅にずれることなく
ある程度の近い範囲値であることが大切です。

 

このことを偏心距離と呼び、地震の揺れにより
剛心の周りを回転するねじれ振動を起こし
とても地震にたいして弱い建物となります。

その為、建物に部分的に耐震補強工事をしたり、
偏心距離を考えないバランスの悪い補強工事
することはかえって逆効果になることもあるのです。

 

このように壁補強はバランスを取りながら
行うことが重要ですが、もう一つ大事なことがあります。

 

それは、壁基準耐力を強くすると地震で
揺れた際に補強した両サイドの柱の接合部
引き抜きの力が加わるので、

 

併せて柱頭と柱脚のつなぎ目に専用金物で梁や土台と
しっかりと固定をする必要があるということです。

 

この引き抜き防止の補強金物は壁基準耐力に
見合った耐力のある金物を使用することが大切です。

 

また耐震補強を改めてする体力壁の両サイドの
柱部の金物補強は当然ですが、すでに耐力壁と
されている筋交いなどの入っている壁の
両サイドの柱についても、その壁基準耐力に
見合った補強金物を入れることが大切です。

 

この引き抜き力に対する補強金物は
平成12年以降の建物には義務化されてすべての
建物に取付けられておりますが、それ以前の
建物は付けられていない場合もあります。

 

耐震リフォーム工事をする際には事前に行う
耐震診断結果に基づいて、壁補強と併せて
柱の金物補強
を行いましょう。

大地震はいつ起こるかわかりませんので、
日頃から地震に対する準備をしておくことが
地震から身を守る最大の備えといえるでしょう。

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